この記事では、僕がバイヤーとして海外メーカーと取引するなかで学んだ価格交渉のノウハウをお伝えします。
こんな方にオススメ!
- 価格交渉して欲しいモノを安く手にいれたい考えている人
- 価格交渉や値切りのコツをつかみたい人
- 交渉関連の本をたくさん読んだが、いまいち自分の実践では活かしにくいと感じている人
鉄則1. 価格交渉はタイミングが命
基本的なことですが、ムチャクチャ大事です。
価格交渉はタイミングが命!
相手が露天商のおじさんであれ、電気量販店の店員であれ、商社の営業であれ、すべて同じこと。
「いま、どこのお店から買おうか迷ってまーす!」というタイミングで、相手に購入意欲をアピールすることが大事です。
「儲けが少なくても、他店に逃げられて売上がゼロになるよりはマシ」と彼らが考えてくれれば、シメシメです。
そうなって初めて相手は「価格、お安くしますよー?」という申し出をしてきます。
たとえば、僕がいつも交渉している海外メーカーなどは、仕事が決まったあとでは、絶対に価格交渉に応じてくれません。
「なぜ、エンドユーザーに商品の良さを理解してもらい他社と比較して納得した上で選んでもらったのに、今さら値引きをする理由があるのか?」という非常に合理的な考えを持っているからです。
たしかにこのタイミングですと、すでに社内やお客様に承認を得ているなど、今さら他社製品への変更は厳しかったりします。
相手は、そこらへんを見透かしています。
という訳で「いま、どこのお店から買おうか迷ってまーす!」というタイミングがベストとなります。
鉄則2. 価格交渉の際に、自分の思い込みで最安値を決めない
たとえば海外で、蚤の市や市場などに行くと、よく絨毯や民芸品が売られています。
買うか買わないかはさておき、値札を見ても、それが安いのか高いのかまったくわからない。
そんな経験をしたことはないでしょうか?
価格交渉をする際に、価格の相場観をつかむことは非常に重要。
いまの時代、「価格.com」やインターネットに価格が載っているものであれば、すぐに相場はわかりますよね。
しかし、そうでないものを賢く安く購入するためには、違ったアプローチが必要なんです!
海外メーカーと交渉する場合、僕は自分の思い込みで最安値を決めてないようにしています。
「安く買えて儲かった!」などと喜んでいると実は、他の人はもっと安く買っていたなんてことはよくあることです。
重要なことは「常に原価を意識する」ということです。
つまり、「モノをつくるのにどのくらいのコストがかかっているのかを計算するクセ」を身に付けることです。
例えばパソコンの場合、パーツを別々に購入したら安く済むのに、組み上がったパソコンだとこんなに高い。残りはデザイン広告費だな。と推測する。
そういった情報を自分の中にストックしていくことが「原価を推測する目」を養うことになります。
鉄則3. 価格交渉するための材料をそろえる
基本的にモノを買って欲しい人が知りたい情報は下記の3つです。
- いつ購入してくれるのか?(今日?来月?来年?)
- 数量はいくつ購入してくれるのか?
- その後も継続して購入してくれるのか?
上記の情報はあくまで基本情報です。
こういった情報を伝えてはじめて、「通常以上の値引き」を考えてくれるといっても過言ではありません。
価格交渉するにあたっては、常に相手側方のインセンティブを理解することが必要です。
例)
相手がキャンペーン期間中の販売員ならキャンペーン最終日を調べよう!
→最終日までにノルマをこなしたいというインセンティブが働く。
相手の会社の決算月を知りましょう!
→決算月に売上を作りたいというインセンティブが働く。
注意深く探せば、上記以外にも相手の隠れたインセンティブはきっと見つかるはずです。
こうした作業は面倒かもしれませんが、材料をそろえる場合とそうでない場合には交渉結果に大きな差が出ます。
“交渉”を“トランプのポーカー”に例えるなら、
- 自分に配られたカードは何なのか?
- どんな役がつくれるのか?
を確認することが重要です。
材料をしっかりそろえましょう。
さいごに
昔の自分なら「こういったことを最初に知りたかったな。」と思う内容を書いてみました。
鉄則1~3を守れば、8割がた交渉がうまくいくといっても過言ではありません。
残り2割は少しコツがいるので、そちらに関しては『誰も教えてくれない価格交渉力をアップさせる3つの鉄則!【応用編】』の記事をご覧ください。
もしこのノウハウがお役に立てたなら幸いです。
さいごまでお付き合いいただき、ありがとうございました。