「自分で仕事の範囲を決めたら、成長できないよ」
これは昔、会社の上司から言われた言葉です。
そのころ、僕は読んでいた本に影響されて「仕事は選択して集中しなければならない」と思い込んでいました。
ところが。結果的にその考え方は間違っていました。。
というより、「その考え方」は、その段階の自分にはまだ早かったのです。
「読書で得た知識は必ずしもすぐに役立つとは限らない」
この記事では自分の失敗から学んだこの教訓についてお話ししていきたいと思います。
選択と集中。
本当に大事なことを見極めて集中する。
ビジネス本によく登場する「魔法の言葉」です。
その上司に対し「自分のジョブタイトルからすると私の担当する仕事はココからココの範囲までです。」という意思を伝えたのを覚えています。
たぶん、「転職してきたばかりで何も知らない新人が何をナマイキなことを」と思われたかもしれません。。いや絶対に。
それに対する上司の回答が、冒頭の「自分で仕事の範囲を決めたら、成長できないよ。」でした。
今では、そんな考え方はとても未熟だったと反省していますし、その時の上司にとても感謝しています。
読書はタイミングによって毒にも薬にもなる
本を読んで感化されたときに気をつけなければならないのは、あなたの仕事のレベルがどの段階にあるかということです。
自分の成長の段階を見極めることが重要。
もし、あなたが自分の周りのジョブをすべて把握しており、誰が休んでもその仕事を肩代わりできるくらい仕事を熟知している。
そんな場合なら、「選択と集中」を行い、あなたしかできない仕事に集中するのは正解です。
ですが、まだそのレベルまで達していないなら、そこで自分がやるべきことを限定してしまうのはやめましょう。
今だから言えますが、偶然に与えらえた仕事のなかから学ぶことはすごく多いです。
そこで、自分の可能性をつぶすか広げるかはあなた次第。
山口周著『知的戦闘能力を高める 独学の技法』の一節にも「偶然の機会」からの学びの重要性が述べられています。
脳科学者の茂木健一郎氏は、この「予定調和のなさ」について「偶有性」という言葉を用いて説明していますが、これは独学者にとっては大変重要なコンセプトで、身もふたもない言い方をすれば、学びは「偶然の機会」を通じてしか得られないということなのです。
したがって「独学の戦略」を策定する際には、大まかな方向性を定める程度にとどめ、あえて大きな緩みや余白を残しておくことが大事です。「一体なんの役に立つのかわからない……けど、なんだかすごい」という情報は、いずれ必ず知的生産を支える大きな武器になります。
出典:『知的戦闘能力を高める 独学の技法』
消化不良だった本が消化できた日
仕事の幅を拡げて、ある程度の経験を積むと、日々起こる問題を客観的・俯瞰的にとらえることができ、最短経路での解決方法を導き出せるようになります。
仕事の守備範囲が広がり、だんだんと仕事量が増えてくると今度は逆に、いくら効率的に仕事をこなしてもこなしきれません。
そんなとき、昔読んだ『エッセンシャル思考』を読み返しました。
昔は読んでもピンとこなかった内容が、今度は自分の経験と細部まで照らし合わせることができ、学びが多いことに気づきました。
つまり、本当に重要なことに集中するためには「重要なものを見極めて選択」しなければならないのだ、と。
グレッグ・マキューン著『エッセンシャル思考』の一節をご紹介します。
忙しく動きまわることを有能さの証だと思っている人は、考えたり眠ったりする時間をなるべく減らそうとする。しかし本当は、立ち止まる時間こそが、生産性を高めるための特効薬だ。立ち止まる時間は無駄な寄り道ではなく、前に進むための最短コースを教えてくれるのである。
エッセンシャル思考の人は、なるべく時間をかけて調査・検討し、意見を交わし、じっくりと考える。そうすることで初めて、本当に重要なものを見極めることが可能になるのだ。
出典:『エッセンシャル思考』
その瞬間。。ココロが軽くなりました。
その感覚は今でも覚えています。
(むしろ、昔読んだことがあるのに、ほとんど内容を覚えていなかったことに驚き。。)
消化不良だった本が消化できた。。
さいごに
同じ本を見返すことで初めて自分の成長を実感する。
コレ、結構重要です。
たとえるなら
小学校高学年になって、低学年のイスに座った時の「小っさ!まぁ、自分が大きくなったということか。。」という感覚に近いです。
人ってなかなか他人を褒めてくれないものですからね。
そういう時、本は「自分の成長を教えてくれる存在」となります。
ただ、同じ本を再読するのは、なかなか気が進まないものですよね。
そんな時こそ…..
電子書籍。オススメです。
突然でスミマセン。(いつでも購入できますし、いつでも再ダウンロードできますからね。)
さいごまでお付き合いいただき、ありがとうございました。